新書を読む楽しみ

最近、古本屋に行ったところ新書が「ハウツー本」の区分になっていてショックを受けた。こちらも最近知ったことなのだが、新書というのは初心者向けの比較的簡単な分類の本らしい。中学、高校生の時に新書に挑戦して挫折した経験を持つ私にはつらい話である。それはともかく、初心者向けの本であるからといって「ハウツー本」というくくりにしてしまうのはいかがなものかとも思うのだけれど。

それはさておき、私の中では新書が今アツいのである。理由は簡単だ。「知的生産の技術」「知的生活の方法」「考える技術・書く技術」といった名著に分類されるような本を読んだからだ。この三冊は私の中の新書の概念が崩れ去ってしまうほどに面白かったのだ。新書といえば挿し絵が少なく、小難しい文章ばかりでとっつきにくいというイメージがあった。しかし、この三冊は挿し絵こそは多くはないが平易な文章で、とある評論曰く「私小説のような書き方」であるところがイメージをすっかり変えてしまった。私小説の部分は、私に私小説を読んだ経験があまりにもないので何とも言えないのだが、この私小説らしさが新書の小難しさを取り去ってくれたと考えるのであれば、まさにその通りだと思う。

この三冊だけで新書を語りたい訳ではない。新書は初心者向けの本である。ということで本文中、あるいは参考文献で読みたい本がどんどん増えていくのである。個人的には、本文中で挙げた本についてはすべて参考文献に書いてほしいくらいである。この本文中や参考文献でまた本の世界が広がっていく感覚、また面白い本に出会えるのではないかという予感、それこそが新書の醍醐味なのではないだろうか?もちろん、読んでいる新書が面白いからこその醍醐味ではあるが。つまりはこんなに面白い文章を書く人が挙げる本なのだから面白いに違いないという安心感がそこにはあるのである。

以上、最近新書を読むのが楽しくなってきた人間の駄文でした。ではまた~

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